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Article: ポインセチアを見て、赤い葉っぱのことを考えた冬

ポインセチアを見て、赤い葉っぱのことを考えた冬

ポインセチアを見ると、クリスマスが近いなと思います。

街の中で見かけるだけで、急に冬の景色がきらっとしはじめるような、
そんな花です。

ずっと気になっていた花でしたが、
今年ようやく、ちゃんと向き合って形にしてみたいと思いました。
そして手を動かしながら、私の中に残ったのは、
「赤いのって葉っぱなんだよ」という、あらためての小さな驚きでした。

見慣れていたのに、まだ知らないことがあった

ポインセチアは、冬になると自然に目に入ってくる花です。
でも、見慣れているからこそ、分かったつもりになっていたところがありました。

今回デザインしようとして、改めてじっくり見てみたら、
まず心に残ったのが、赤い部分は花びらではなく葉っぱなのだということでした。

そう思うと、今まで見えていた姿が少し変わってきます。
ただ華やかだと思っていた赤にも、葉っぱらしい線や重なりがあって、
その中に、この花ならではの面白さがあるのだと気づきました。

そこから、お花はどこなんだろうと考えた

赤いのが葉っぱだと分かると、次に気になるのは、じゃあお花はどこなんだろう、ということでした。

真ん中にある小さな黄色い部分。
そこに目が行くようになると、ポインセチアは急に、ただのクリスマスの飾りではなくて、
ちゃんと生きている植物として近く感じられるようになります。

物を作るとき、私はこういう小さな発見に背中を押されることが多いです。
よく知っていると思っていたものを、もう一度ちゃんと見直したくなる。
今回のポインセチアも、そこから始まりました。

葉っぱの線を、どこまで残すか

ポインセチアの形は、一見すると星のようにも見えます。
でも近くで見ると、規則的なだけではなくて、葉っぱらしい有機的な揺らぎがあります。

だから図面にするときは、整えすぎると急に別のものになってしまうし、
逆にそのまま写そうとすると、今度は木の中で形がまとまりません。

どこを省いて、どこを残すか。
真上から見た構成と、葉脈の流れと、赤い葉っぱの重なり。
そのあたりを何度も見比べながら、少しずつ形を整えていきました。

試作してみると、まだ少し足りないことが分かる

図面の上で見えていたものも、実際に木型にしてみると、また違って見えます。

木の厚み、抜いたときの軽さ、線の細さ。
そこに実物のポインセチアの印象がちゃんと残っているかどうかは、作ってみないと分からないところがあります。

今回も試作を作ってみて、もう少し完成度を上げたいなと思いました。
少しの違いなのですが、その少しが、季節の花らしさを残せるかどうかを決める気がしています。

冬の空気まで、一緒に残したかった

ポインセチアは、花そのものだけでなく、冬の空気と一緒に記憶される花だと思います。

赤い色、リボン、街の灯り、贈り物の気配。
そういうものと自然につながっていて、見ているだけで少し気持ちがあたたかくなります。

だから今回の木型キーホルダーも、ただ花の形を作るだけではなくて、
そのまわりにある冬の気分ごと残せたらいいなと思っていました。

この形をきっかけに、花を少しだけ詳しく好きになれたら

木型キーホルダーを作る時間は、私にとって、その花を少しずつ詳しく好きになっていく時間でもあります。

今回のポインセチアも、作る前より今のほうが、ずっとおもしろく見えます。
赤い葉っぱの重なりも、真ん中の小さな花も、冬の街で見かけたときの印象が少し変わりました。

このキーホルダーが、手に取ってくれた人にとっても、
「赤いのって葉っぱなんだ」と思い出すきっかけになったらうれしいです。
そこからまた、その花を前より少し好きになってもらえたら、もっといいなと思います。

冬の景色が、少しきらっと見えるように

花そのものは季節が過ぎればまた来年ですが、
木の形にしておくと、その時期の気分を少しだけ手元に残しておける気がします。

鞄につけたとき、机の上で目に入ったとき、
ああ、あの冬の空気だったなと思い出せるくらいで十分です。

このポインセチアの形が、
誰かの冬の景色を、少しだけきらっと見せてくれるものになっていたらうれしいです。