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Article: ひまわりを作るというより、太陽のことを考えていた夏

ひまわりを作るというより、太陽のことを考えていた夏

ひまわりを作ろうと思ったとき、私の頭の中に先にあったのは、花そのものより太陽でした。

夏の強い光とか、まっすぐ向いている感じとか、見ているだけで少し暑くなるような気配。
ひまわりは、ただ明るい花というより、光のある方向を信じている花なのかもしれないと思います。

正直にいうと、私自身には、ひまわりにまつわる強い思い出があるわけではありません。
それでも、いつか作ってみたいと思っていたのは、この花の中に、夏の気分だけではない何かがある気がしていたからです。

7から始まった夏の形

最初のきっかけは、7でした。

今まであまり使ってこなかった数なのに、誰かに「三角形が7つ集まると太陽みたいになる」と教えてもらって、急に景色がひらけた気がしました。
そういうふうに、自分ひとりでは見えなかった形が、誰かとのやりとりで立ち上がることがあります。

8月の花を考えるなら、やっぱり太陽の似合う花がいい。
そう思ったとき、ひまわりがようやく自分の中でちゃんと輪郭を持ちはじめました。

種の配列のことを考えていた

ひまわりの真ん中を見ていると、きれいに並んでいるようで、ただ整っているだけではない感じがします。

今回のデザインでは、その種の配列を手がかりにしました。
左に21、右に34。自然の中にある数字の流れを借りながら、中央の模様や花びらの動きを考えていきました。

でも、きれいな数字をそのまま並べるだけでは、私には少し足りません。
手で作るからこそ生まれる少しの揺らぎや、きっちりしすぎない感じのほうに、私はいつも惹かれます。

明るさの奥にあるもの

ひまわりは、ぱっと見た印象だと、とてもわかりやすく明るい花です。
けれど、作ろうとすると、ただ元気なだけではないことに気づきます。

太陽を向くこと、中心にたくさんの種を抱えていること、花びらが外へ放射していくこと。
その全部が合わさって、あの花は立っているのだと思います。

だから今回は、ひまわりらしさを飾りとして足すというより、構造の中からにじませたいと思っていました。

木になると、夏の光が少しやわらぐ

完成して木型になると、ひまわりは少し静かになりました。

眩しい黄色ではなく、木の色になるぶん、強さだけではなく、配列の面白さや線の流れのほうが見えてきます。
それはそれで、私にはとてもひまわりらしく思えました。

誰かの手元に渡ったとき、目立ちすぎなくても、ちゃんと小さな光みたいに残るものになっていたらうれしいです。

ひまわりを作るというより、太陽のことを考えていた夏でした。