梅の形を、結ぶように探していた日
梅の木型キーホルダーも、最初から今の形が見えていたわけではありませんでした。
冬の澄んだ空に映る梅の花を思いながら、 どうすればその空気ごと小さな形にできるのか。 花として見えることだけではなく、 結び目のようなやわらかさや丸みの流れも大切にしながら、 少しずつ形を整えていったのが、この梅結びでした。
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梅の花を、そのまま写すのではなく
今回の梅は、花びらの形をそのまま取るというより、 梅から受け取った印象を、ひとつの結び目のような形へ移していくところから始まりました。
自分で結んだ梅結びをもとに、 線の流れやふくらみを見ながら、 どこを残して、どこを抜くかを考えていく。 木型キーホルダーとして手にしたときに、 模様の強さだけが残るのではなく、 どこかやわらかい印象が残る形を探していました。
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線の強さや深さも、ひとつずつ整えていく
梅結びの模様は、ただ線を入れるだけでは思った表情になりませんでした。
全体を少し凹ませたあとに、 さらに線の部分で深さを分けて、 ラインに強弱をつけていく。 小さな木型の中では、 ほんの少しの違いで印象が変わります。
だからこそ、 模様の見え方を確かめながら、 深さや線の残し方を何度も整えていく時間が必要でした。 その繰り返しの中で、 梅結びらしい流れが少しずつ見えてきたのだと思います。
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手に取ってもらいたい、という気持ちから
このキーホルダーは、 出来上がったらまず誰かに使ってもらいたい、 手に取ってもらいたい、 そんな気持ちから動き出していました。
送料込みでお渡しする形にしたのも、 ただ見てもらうだけではなく、 実際に持ってもらいたかったからです。
形を作ることと、 誰かの手に届くこと。 そのふたつが、最初からひとつにつながっていました。
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数を作る時間の中で見えてきたこと
ありがたいことに、 想像していた以上にたくさんの方が興味を持ってくださいました。
その反応はとてもうれしいものでしたが、 同時に、すべての方にお渡しすることはできないという現実もありました。 そのことの重さは、 作る手を動かしながら、 ずっとどこかに残っていました。
普段はオーダーをいただいてから、 ひとつずつ向き合うことが多いからこそ、 たくさんの数を一度に作る時間には、 また少し違う緊張があります。
100個作るつもりでいたら、 実際には100セット、 200個切り出さなければいけないことに途中で気づく。 そんなふうに、 作る数の感覚も少しずつ現実に引き寄せられていきました。
焦げた木のヤニで指先が茶色くなっていくのを見ながら、 それでも手を止めずにいられるのは、 形の先に、 使ってくれる人のことがあったからだと思います。
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梅の形は、ここで終わらない
梅結びのモニター募集には区切りがあっても、 この形そのものは、 ここで終わるものではありませんでした。
ひとつの形に反応をいただけたことはもちろんですが、 小さな木型の中に、 まだ作れるものがたくさんあると感じられたことも大きかったように思います。
毎月また新しいデザインを出していきたいと思えたのは、 ひとつ作って終わりではなく、 その先へ流れていく感覚が、 梅の形の中にも確かにあったからでした。
梅の形を結ぶように探していた時間は、 ひとつの作品を作るというよりも、 これから先へつながっていく形の流れを、 静かに見つけていく時間だったように思います。