07:朝顔「タネに思いを込めて」
2022年7月、
木型キーホルダーモニター企画07は朝顔でした。
(こちらのブログでは、木型キーホルダー製作ストーリーを掲載。花やモチーフへの思い、デザインのポイントなど、書かせていただいております)
ー朝顔ー
7月の中旬頃、明日から始まる夏休みに期待を膨らませ、
これを抱えながら子供達が街中を満面の笑顔で歩く景色。
私にとって、
花を通して7月を感じる一番の瞬間。
でも、当時の私は、
明日から友達に会えない寂しさがあったのかな?
それとも、
家族と色々な所へ出かけられると
期待に胸弾ませていたのかな?
あんまり覚えていないのですが、
この鉢や花には興味なかった・・・
でも、タネ数えるのは楽しかった。
大人になってからは、
子供達がこれを抱えている街の景色を見ると、
あーこれから夏が始まるなって、
季節が変わる瞬間を思います。
街の子供達にワクワクをお裾分けしてもらった感じ。
一年に1日しか見れない景色。
もしかしたらこれを使うのも人生で一度きり?
他の植物を入れても似合わないんですよね?
でも決して、子供っぽい花ではありません。
江戸時代、武士道に通じると、
武士達が育てていた花でもあります。
そんな思い出を元にデザインを制作しました。
朝顔の花の形。
毎回、その花と向き合う時に思います。
この花はどういう法則で花の形ができるのだろう。
今回の花は、五角形と円と直線とヒラヒラで構成。
円の360と五角形の関係性。
交差するライン。
360を割る5し、72度。
さらにその半分36度。18度。
それがキーとなる数字。
花の模様を描くときは、
そんな数字を頭で計算しながら
手を動かし、デザインしています。
外側の花の形は、その環境の風の強さや向きによって
一枚一枚異なるので、ラフにヒラヒラと。
でも蕾を中心として花が開く形、メカニズム
は決まっているはず。
人の目には見えないけど、きっとタネの中には、
花びらを描く設計図があり、
今回の線の構成、法則が正解だったら
いいなって思っています。
でも正解を知ってしまったらつまらないかな。
正解は直接聞けないから分からないけど、
毎月、その花を描く時、なんか花の核心に
ほんの少しだけ近づけた気がしています。
この花は奥が深く好きです。
子供だけでなく、
花好きな大人が向き合う花。
この花に色々な品種があるのは、
江戸時代、大人達が品種改良の研究に
励んできたからなんです。
朝顔をデザインする。
まさに、大人の粋な遊び!
デザインは出来上がり、もうひとアイディアを!
今回、朝顔と決めた時から、タネにフォーカスしようと思っていました。
タネから芽が出た思い出。
タネを収穫した思い出。
多年草にしか興味なかった私ですが、
朝顔は、一年で枯れてしまうけど、
タネで繋いで、毎年その花と出会える。
朝顔との思い出にはタネが重要です。
ということで、木型キーホルダーに、
タネを収納できる溝と枠を作り、
「タネホルダー」を作りました。
木材は桜の木ですが、
朝顔のタネがついていることで、
このキーホルダーは朝顔なんです。
うまく言えないのですが、
朝顔の命、DNAがこもっている木型キーホルダーになりました。
そして、朝顔をデザインするにあたり、品種にもこだわりました。
朝顔團十郎。
3年前に行った入谷朝顔市でチラッと見て、
その時は買わなかったのですが、
ずっと頭から離れず、
でもそこからコロナで、
朝顔市も中止で、今年も開催されません。
だからこそ余計愛おしい。
3年間ずっと片想い。
でも数ヶ月前、7月は朝顔、團十郎と決めていた私は
タネを入手して、眺めながら、
花のイメージを膨らませていました。
この種の中に團十郎の花の設計図が
詰め込まれているのだなと。
似てるかは分かりません。
でも、團十郎のことを思い、デザインした
オンリーワンな木型キーホルダー朝顔です。
皆さんと朝顔のお話、團十郎の品種を知ってくれた方も多く、
皆さんと朝顔のお話ができた。
それが2022年朝顔に対する一番の思い出かもしれません。
我が家の團十郎はしっかりと、花を咲かすことができました!
初めて実物を見る、花の模様、色に心ときめいたのを覚えています。
タネもたくさん取れたので、毎年、朝顔團十郎の海老色に
この時期心ときめくことでしょう。
花を育てること、やっぱり楽しいです。
ご覧いただきありがとうございました。
他の月の花との思い出。モノ作りストーリもどうぞご覧ください!
2022.7 MADE in 日本橋 舘野一也
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