梅は、春をいちばん先に教えてくれる花だった
春の花といえば桜、という気持ちは今もあるのですが、梅のことを考えると、それより少し前の静かな時間を思い出します。
まだ寒さが残る中で、誰より先に蕾をふくらませて、春の気配をそっと教えてくれる花です。

春を共有する桜、春を知らせる梅
あたたかくなった春をみんなで楽しむ花が桜だとしたら、梅はその少し前に、季節の入口を教えてくれる花なのだと思います。
寒い中で咲くからこそ、にぎやかさよりも、凛としたやさしさがある気がします。

結びの形に、季節を託す
最初の梅は、花そのものを写すだけでなく、結びのような意匠にして、手の中に残るかたちを考えていました。
縁起やつながりの気配を持ちながら、春を呼ぶ花として形にしたかったのだと思います。
ずっと昔の人とも、同じ花を見ていた
梅は万葉集にもたくさん登場する花だそうです。
1200年以上前の人も、同じようにこの花を見て、春の知らせを感じていたのだと思うと、梅は過去と未来をつなぐ花なのだと感じます。

3年後、梅の形をもう少し静かに描きなおす
そして数年後、梅の花模様はもう一度、少し違うかたちで現れました。
最初の装飾的な梅結びに対して、後の梅2は、花そのものの輪郭をよりすっきりと見せるような印象です。
同じ梅でも、時間が経つことで、見つめ方や残し方が少し変わっていく。その変化もまた、ものづくりの面白さだと思います。



