ボケの花を、今年はちゃんと好きになれた気がした
4月の花を考えたとき、ずっと前からボケを描きたいと思っていました。
派手すぎるわけでもなく、でも枝の根元からふっと咲いて、気づくと春の景色を明るくしている花です。

近くにありすぎて、かえって見えていなかった花
うちのボケは桃色で、もう長く一緒にいます。
ボケといえば赤や紅白の印象もあるけれど、この一本を迎えてからは、なんとなく他の色を増やせないままでした。
今年はこの花をきちんと描いてみたくなって、また少し愛着が増えた気がします。

やさしい花ほど、線にするのが難しい
ボケの花は、すっきりしているようで、実際に形にしようとすると意外と難しい花でした。
丸いだけでは少し違うし、尖らせすぎても違う。そんなわずかな差を見ながら、円の重なりや線の置き方を何度も考えました。

春の入口にある、静かな華やかさ
3月の終わりから4月にかけて咲くボケは、春が本格的に始まる少し手前の空気によく似合います。
まだ肌寒さが残る中で咲くからこそ、かわいらしいだけではない、凛とした強さがあるのだと思います。

今年の春を思い出すための形
毎月ひとつずつ花を描いていくと、季節の記憶が少しずつ手元に残っていきます。
ボケもまた、その年の春の空気をそっと思い出させてくれる木型になりました。
